狭間と石落としは敵を防ぐために櫓や土塀の壁面に設けられた穴です。
姫路城の石落しは壁面の一部を斜めに少し張り出して、下面に細長い穴を設けたもので、袴腰型と呼ばれるタイプです。その下端が壁面の中央付近までしかないのが姫路城の特長です。
石落としは天守や櫓の角、土塀にも設けてあります。その穴は普段は蓋で閉じられていますが、有事の際はその穴から真下に迫った敵に向かって槍や鉄砲で攻撃する仕掛けです。
更に大天守1階と2階やロの渡櫓、櫓門にある出窓の下にも石落しを設けて防備を固めています。
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狭間は土塀の壁面に見られる丸や四角、三角形の穴のことです。こちらも石落しと同様に鉄砲や弓で敵を攻撃する為のもので、縦長の長方形は弓を引く事を考慮して作られた矢狭間、他は鉄砲狭間です。
城を守る兵になったつもりで分厚い壁に開けられた穴を覗いてみると、手前から奥に向かって口径が小さくなっている。これはアガキと呼ばれる技法で、敵の攻撃から身を守りながらこちらからの視界を広くするための工夫です。また、天守や櫓にも狭間が設けてありますがこちらは普段は蓋が閉められています。
資料によると現存する内曲輪の狭間の数は997(鉄砲狭間844、矢狭間153)だそうです。
土塀の石落し
下の写真は、西の丸のカの櫓とそれに続くワの櫓東方土塀を下から見上げた写真です。一見すると装飾とも思える石落しと狭間で守りを固めています。
特にここは城内でも珍しい土塀に設けた石落しがあります。城内側から見ると下のようになっています。撮影した時は壁や屋根目地の漆喰塗替えを行っていましたので、狭間は養生のため板でふさがれていました。
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