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世界遺産登録

姫路城がユネスコ世界遺産に登録された理由と登録範囲について、ユネスコ世界遺産センター公式サイトと文化庁のサイト(文化遺産オンライン)を参考にしてまとめています。

登録基準

世界遺産には3種類(文化遺産、自然遺産、複合遺産)あり、姫路城は1993年に奈良県の法隆寺とともに文化遺産に登録されました。世界遺産リスト(ユネスコ世界遺産センター公式サイト)には姫路城に関して次のように書かれていました。

この中で登録基準(Criteria)は(i)(iv)となっています。世界遺産の登録基準は10項目あり、世界遺産に登録されるためには、この項目の内1つ以上を満たしている必要があります。姫路城が満たしている(i)と(iv)の基準は下記です。

この登録基準に対する具体的な内容は示されていませんでした。日本がユネスコに提出した推薦書や姫路城を調査したICOMOSのレポートによると、(i)と(iv)に対応する具体的内容は概ね次のようです。

(i) 白漆喰の壁や、天守閣群と幾重にも重なる屋根との絶妙な配置関係といった外観の美しさと、効果的な防御機能を合わせ持つ姫路城は木造建築の最高傑作です。

(iv) 姫路城は日本における木造の城郭建築のなかでも最高の位置あり、その主要な特徴が完全な形で保存されている。

日本の推薦書には登録基準(iii)の「現存する、あるいはすでに消滅した文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。」にも該当すると記載されていました。これは、姫路城は将軍や大名が統治する封建制の時代の文化を理解する上で貴重な遺産です、と言うアピールでしたが認められなかったようです。

また、姫路城の場合は、その主要な建物が復元ではなく築城当時の状態を保っていること。そして、修復を行う時は、修復前と同じ材質の物や技術を使うことで、オリジナルの状態を保つように管理が行われていることも世界遺産に登録された理由のようです。

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世界遺産の範囲

世界遺産に指定されている建造物は、天守閣を中心として姫路城を構成する櫓や門など、内濠で囲まれた内曲輪と呼ばれる地域内に建っている82棟です。これらは国宝・重要文化財にも指定されています。

世界遺産に指定されている範囲は、その内曲輪を含めた更に広い範囲で、中曲輪と呼ばれる中濠(一部は埋められています)で囲まれた地域です。ここは特別史跡にも指定されていて、その広さは約107haです。この範囲内には消防署や一般の住宅、学校や病院、動物園も含まれています。以前は警察署も在りましたが2009年に他の場所に移転しました。

更に中曲輪の周囲に大手前通りと野里街道を含めた約143haが、遺産の保護や景観を保つために利用規制が加えられる緩衝地帯(バッファゾーン)に指定されています。

世界遺産に指定された範囲内は遺産のオリジナルの状態を保つように厳しく管理され、整備が徐々に行われています。とくに城郭の中心となる内曲輪にある動物園は移転が検討されているようです。


世界遺産の指定範囲と緩衝地帯

世界遺産認定書

姫路城世界遺産認定書の複製が、料金ゲート横の事務所に展示されています。

姫路城 世界遺産認定書

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姫路城とは