姫路城の表玄関となっている大手門を潜り抜けると直ぐに、正面に動物園が。左手に三の丸広場と、その向こうに建つ天守が目に飛び込んできます。
この状態は、多くの観光客や車両が出入りするには良いですが、城の防御の面から考えると余りに貧弱です。
実はここは、江戸時代の様子とは大きく変わってしまっています。下の絵図にあるように、当時は三つの門(桐一門、二門と桜門)と石垣を組み合わせた二重枡形虎口となっていて、通り抜けるには180度の方向転換を強いられる構造になっていました。
しかし、城としての役目を終えた後、それらは取り壊され、桜門の前の橋も無くなり濠は埋められました。
城内に往時の姿を留める門は多くありますが、今ある大手門は桐ニ門があった場所に1938年に再建され物で、しかも桐ニ門を忠実に復元した物ではないようです。
大手門絵図
濠と橋は2007年2月に再建が完了しました。事前に埋められた濠の発掘調査を行い、得られた橋や石垣の跡を活かした造りになっています。
橋の長さ二十二メートル、幅員七メートルで、総事業費約二億円。鉄筋コンクリート製の橋ですが、全体にヒノキの化粧板が張ってあって、外観は木でできた橋のように見えます。
完全な木橋の復元を求める意見も出ましたが、大型車両の通行などを考慮して鉄橋になったようです。
桜門橋の近くに「国宝姫路城 特別史跡 姫路城跡」と彫られた大きな石碑が置かれています。姫路市長戸谷松司書だそうです。
桜門橋の前から好古園の入り口付近まで、武者溜りと呼ばれる大きな広場があります。
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