菱の門をくぐったとこから左手の坂道を登っていくと西の丸です。ここは天守が完成してから10年ほど後の1618年(元和4年)に増築されました。
当時、西の丸には御殿があったようですが、現在は広い庭園です。姫路城の桜の見所の一つになっていて、夜桜会も開催されます。また、ここから眺める大天守と小天守とのバランスは美しく、テレビの時代劇でも見かける風景です。
売店が、料金ゲート出口と、ここ西の丸にもあります。
天守の建つ場所が姫山で、こちらは鷺山と呼ばれます。山を削ると共に、南側に高い石垣を組んで地上げをすることで広い平地を確保し、防御を固めるために北から南西に向けて細長い城壁のような渡櫓で囲んでいます。
櫓を支える石垣は北面の城内側が二段になっていて、南西側と比べると高いです。ですから、廊下を歩いて行くと途中に急な階段が2箇所あります。
その部分の石垣の中に山の岩盤が包み込まれているのですが、その高さが均一ではないのが原因のようです。岩が硬くて思うように削れなかったのではと考えられています。
ヨの渡櫓とカの渡櫓付近に、石垣が積まれずに岩盤が露出している箇所があります。
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渡櫓の中を見学できます。土足禁止なので入り口に置いてあるスリッパに履き替え、自分の靴はビニール袋に入れて持って行きます。
ワの櫓からスタートして、長さは約300メートルも延々と続く長い廊下を歩いていきます。進行方向左側は城外となることから狭間や石落としが多く設けられています。
渡櫓は複雑に何度か折れ曲がり、先にも書いたように急な階段が2ヶ所あります。また、昭和になって修理された部分は柱や床の色が他とは全く違います。
途中から廊下右側に沿って八畳ほどの広さの部屋が並び、長局であったことがうかがえます。そして最後に行き着くのが化粧櫓です。ここに来るまでの各部屋の床は板張りですが、化粧櫓は畳が入れてあります。そこに、貝合わせをして遊んでいる千姫さんの人形が置いてあります。
普段、この畳の部屋は入り口から見るだけですが、姫路城の特別公開日には入る事が出来ます。右の写真はその際に撮影したものです。ただ、この時は竹の柵で規制されていて窓際には近づけませんでした。
修理
西の丸の南西端に位置するワの櫓に工事用の足場がきれいに組まれていました(2009年8月)。
修理作業は主に壁の塗り替えですが、レの渡櫓の屋根にキリが生えているのが見つかり、急遽その撤去とそれに伴う瓦のふき替えも追加されたとのニュースも流れていました。
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